まぜ麺について vol.2

まぜ麺について vol.2

当時はとにかく週5でおっくん堂に通って、美味すぎる、まぜ麺で僕も勝負してみたいとい衝動的に考えていましたが、今考えるとまぜ麺の美味しさの特徴は酸味と香りだと僕は思います。広島風つけ麺を感じさせるあっさりとした旨味と辛みに加え、出汁も感じる、そして酸味が味を引っ張ってくれるので、塩味も油分控えめでも満足感のある味に着地しており、だから食後感も軽い。そんな新しいような懐かしいような、まぜ麺の味に夢中になりました。

所謂まぜそばスタイルなのでそこに負けないように自然と麺もボリューム感のあるものになります。通常は太めのボリューム感のある麺になってくるのですが、合わせられていたのは絶妙な平打ち麺でした。また、水分量少なめの熟成麺です。僕は小麦の香りあふれるフレッシュな自家製麺は豚骨スープや鶏白湯スープなどの動物性の強い香りのスープを包み込んでくれ、醤油の香りが前に出てくるような鶏ガラや節や乾物などを主体でとるタイプのスープには熟成香の感じられる熟成麺が合うと思います。まぜ麺は後者のスタイルで醤油の香り×熟成麺で、新しいように見えて香りの組み合わせはトラディショナルなラーメンと同じスタイルです。

ボリューム感あるけど重過ぎない、熟成麺と醤油、そんな絶妙なスタイルが子供にもおじいさんやおばあさんにも愛されるおっくん堂の景色をつくっていたように思います。実際、今でも僕のお店にもご常連として子供たち、おじいさんおばあさんがたくさんいらっしゃいます。

つづく

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