まぜ麺について vol.1

まぜ麺について vol.1

京都御所東、河原町丸太町でまぜ麺屋を開業して約7年経ちました。僕が師匠からいただいたまぜ麺というものを少しでも多くの方に知っていただきたいということで、自分の感じているまぜ麺について書いていきたいと思います。

僕がまぜ麺と出会ったのは2010年頃、サラリーマンとして働いていた頃に広島に赴任していた時の事です。広島まぜ麺おっくん堂というお店のまぜ麺なのですが、最初に衝撃的な出会いをしたというよりは、じわじわとハマっていて、気付いたら週5で通っていました笑。

広島には節や乾物の冷たくて辛みの効いた出汁に冷やし中華麺をつけて食べるというジャンルが昔からあって、広島市内では確立されたジャンルでした。そこから90年代~00年代にばくだん屋さんが広島つけ麺でブレイクして、六本木とかにも出店されて一気に店舗数を増やしたりなんかされていました。それが一通り収まると、広島では汁なし担々麺が流行り始めます。よく行っていたのは今はなき広島市内、立町のすずらん亭。初めての汁なし担々麺の花椒のインパクトに加え、デフォルトで置いてあるレモン水の酸味が花椒の痺れと混じり合い、何とも言えない食体験に衝撃を受けました。ペアリングという言葉がまだマリアージュから置き換わるか置き換わらないかくらいの時期でしたが、あれも画期的なペアリングだったなぁって今思います。

その後キング軒さんが店舗展開に舵を切り、全国的に汁なし担々麺がブレイクを果たします。

広島風つけ麺に汁なし担々麺、と広島発信のグルメが全国に知り渡る時期でしたが、僕はずっと週5でおっくん堂に通っていました。毎回冷やしまぜ麺のチャーシュー増しの小盛り。あっさりしているけど、適度に膨らんで後に引くことなく口に残らない旨味、旨味と塩味を引っ張ってくれる心地よい酸味。和食の出汁も広島風つけ麺も感じられる新しい味わい。刺激を求めて行っていた広島風つけ麺や汁なし担々麺とは真逆でじわっと毎日食べたくなる味でした。チャーシューも最高においしくて麺と出汁にはない炙りの香ばしさと動物性の旨味がさらにまぜ麺を美味しくしていました。麺も絶妙で食感やコシも最高で、形もパスタのような平打ち麺、僕は特に冷やして締めた麺のツルツルした食感がとても気に入っていおり、なかなかあのような食感には出会えません。すべてが絶妙で食べたことがないけど美味しい味に収まっていて、それでいてまた食べたくなるすごい麺だと思っていました。

続く

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